2011年6月15日水曜日

SONIC REDUCER / CARL HANNI 03/14/2011

(記事原文: http://blurt-online.com/blogs/view/4810/






DJ LENGUA   By Carl Hanni

As the world turntables...


まるで”インディーロック” という言葉がジャンルになっているように、“ダンスミュージック” がジャンルになる場所では、これらの用語は、もはや、その音楽はダンスのためだけであることを示す、もしくはインディペンデントなレーベルからリリースされて、限度があるにも拘わらず、広くから注目を集めているものです。私たちはインディーロックを聴くときにそれを知っているように、ダンスミュージックを聴くときにはダンスミュージックを知っています。

今のダンスミュージックは一般的に、エレクトリックなダンスミュージックの世界を、絶えず形態を進化させモーフィングさせています。部分を取り上げたり、ミックスしたり、サブジャンルを取り除くことで(ドラムンベース、ダブステップ、ジャングル、など何でも)生まれ、一度にまたは別のタイミングで、私たちがテクノ、最終的にハウスミュージックと呼ぶために使用するものだったのです。

ダンサブルでエレクトリックな規範を覆すオリジナルな音楽を作る人の為に、私たちは理解し同意しなければなりません。特に、多くのエレクトリックなダンスミュージックでかなり標準化され汎用的になった、新しいテクノロジーを包括したもの、またその側面には、退屈でオリジナリティーに欠けるものも多く存在します。

DJ Lengua は二つの方法を知っています。彼の2つのミックスLP(2008年の「DJ Lengua」と2010年の「Cruzando」、他のは2001年の「Dilo!」)はオリジナルや元の型にはまらないミックスの入門です。しかしそれらは(ほとんどの部分で)、あなたが多くのクラブでのTop40的な考えで盲目的にならず、オープンマインドであればあるほどダンサブルになります。さらに重要なのはそれらは聞いて楽しいし、巧みに構築されカットされたレコードのグルーヴの断片を楽しむことができます。数年前はじめてDJ Lenguaを聴いたときに最初に浮かんだことは、遊びといたずら好きのセンスでした。それは素晴らしい音楽のウィットに富んだオリジナリティーで、いずれもそこから得られる戦利品をおざなりにしてはいませんでした。レングアは遊び心とユーモアの感覚で彼の作品にアプローチしているようでもありました。主に同じものさしで聴いて踊れるダンスミュージックに興味がある私達にとっては、無限にある魅力的な資質だと感じることができました。

DJ Lengua (Eamon Ore-Giron はここTucson (ツーソン)で生まれ、15歳まで育ちました。今はロスアンジェルスに家があるが、メキシコシティーやペルー、サンフランシスコにも住んでいました。多くのDJのように明らかに彼は文化や音楽に対し雑食であり、生活したり旅行したりするときはいつでも、それらを吸収しています。彼の場合は特に、「ラテン音楽」の傘下にある他の音楽と同じように、ペルーとメキシコの音楽に心を掴まれています。ヴィンテージのシカゴガレージロックからテクス・メクスまで、ラテンジャズからサルサまで、Tejano(テハーノ)からチーチャまで、広くノンジャンルで多様な音楽です。特に、録音技術の黎明期以降の南アメリカ、中央アメリカ、メキシコに生産された物が多いです。

それは彼が非凡であることに加え、ターンテーブルの周りに自然と人が集まるということです。ラディカルにレコードのスピードを下げたり、少し上げたりボーカルラインやブレイク以外をすべて落としたり、それらを間引いたり、高音域や中域を強調したり、彼自身のビートとsqueaks(キュッキュ)でレイヤー化されています。そのサウンドはまるで冒険心のあるバーテンのようです。しかしDJ Lenguaのミックスは本当にオリジナルで特異なものです。

「DJ Lengua」 と「Cruzando」のどのトラックにも楽しくて調子の狂った何かがあります。それは「Cumbia Squares」でのフルートの囁きや「l Pacheco」のサイケデリック・ダブから、「Perdido」の執拗に繰り返される粋なグルーヴや巧妙に作られたキャッチーな「La Jungla」まで。


彼は本当のスタイリストです。

DJ Lengua はUnicornio Records の共同所有者でもあり、Eamon Ore-Giron 名義で活躍するアクリル、スプレーペイント、シルクスクリーンやマルチメディアを使用する有名なアーティストでもあります。Unicornio は Chicano Batman や DJ Roger Mas などをリリースしています。






To check out some of his stuff, see: 


Unicornio Records: www.unicorniorecords.com
Twitter: @SONIDOLENGUA


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以下は最近メールでやりとりしたQ&Aです:





あなたは家で音楽を聴いて育ちましたか?両親の音楽的な影響などありますか?

私は家の中で音楽とは間接的に育ちました。父も母もどちらも楽器を演奏することはできなかったのですが、叔父がよくギターを弾いていて最初に僕に楽譜を教えてくれました。伯父さんはしばらく僕らと一緒に住んでいてたので、ぎたーのコードや弾き方を教えてくれました。両親は音楽にとても理解を示していて、たくさんのレコードを所有していました。



DJになろうと思ったきっかけはなんですか?いつ、何がそうさせましたか?

僕はDJになろうと思ったことは無く、僕が見つけられたといった感じです。僕はよくバンドで演奏していて、4trackでたくさん自分の音楽を録音していました。でも90年代の初めか中頃にメキシコシティーに移り住んで、コロンビアやペルーから入ってきた南アメリカの音楽を多く集めるようになりました。アメリカ合衆国に戻ったときにツーソンの家族を訪れ、PDQ(伝説的なレコード屋)でレアなメキシコやコロンビアのレコードを買い込みました。とてもいいレコードが大量にあったのですが、残念ながらそれ以来今は下り坂な状況です。でも、2001年頃僕がオフィシャルにDJを始めた頃には、ラテンアメリカのレコードを選んで最終的にドラムマシンやサンプラーでよく演奏していました。僕と友達とでサンフランシスコで始めたマンスリーで行っているパーティー「Club Unicornio」は純粋に、クンビアやメキシコのRefrito、ブーガルー、パンク等、サルサではないラテンアメリカの音楽として認識されているものに捧げられたパーティーです。



あなたのミックスはどのようにして作られたか、お話していただけますか?

僕は大好きな曲の中から何かユニークで確かなリズムを探します。でも、だいたいそれは曲の中にほんの少しだけしかありません。僕は即興でいじれるものを試したり使っいます。というのも、多くの場合、素晴らしい曲はその方法が最適だからです。オリジナルのサンプルをほんの少し重ねたあと、元のサンプルをかき混ぜる新しい方法を模索し、重ねるために正確なドラムのパターンを探し、その上に大きな音のビートを重ねてオリジナルの曲が最高の瞬間になるときが好きです。



ライブでレコードをかけるとき、オールドスクールなレコードですか?それともラップトップDJですか?

僕はとてもオールドスクールです。普段自分のレコードをかけますが、実際にはデジタルとアナログを行き来するようなやり方が好きです。僕は Serrato を学んだり買うために時間を費やしたりした事は無いし、それはレコードだけをかけ、時間を後ずさりする事だけに限定させてしまうし、手を加えて作業して来た新しいものを演奏できないのですが、正直どちらの方法でも僕は古いものが好きなんです。好きなセットは2つのターンテーブルと、良いエフェクト機能のあるミキサー、CDJでジャムを行います。



ヴィジュアルアートについて話していただけますか?それはあなたの音楽の試みとどう交錯しますか?

僕のヴィジュアルの作品は常に自分の主なクリエイティブなアウトプットです。アートはコンスタントに動き続け、変化しています。アーティストは常に自分のアイデアを伝えるための新しい方法を模索しています。僕は音楽も同じ事だと思います。僕はクリエイティブなことに器用なのだと思います。ある時はピックアップしたものをブラッシュアップしたり、またある時はサンプラーだったりギターだったり。僕は2つのことを一緒に機能するように強制しようとはしません。なぜならそこには確かなそれぞれの分野の住み分けがあるからです。僕のヴィジュアル作品は音楽のグラフィックの要素があります。そして僕の音楽には映画的で絵画的なフィーリングもあります。僕はそれが精神に関係していると思います。それは音楽が心に、特定の印象を残し、視野とは逆に変換される方法です。僕は OJO というパフォーマンスグループ/バンドにも参加しています。僕はたくさんのヴィジュアルのアイデアを、音楽に取り込んだパフォーマンス的なアクションとともに混ぜこぜにしています。とても好きです。



いつ、どのようにしてチーチャを発見したのですか? 

僕はずっとペルーに通い続けています。1998年にはしばらく住んでいました。大抵のアメリカ人が”チーチャ”と呼ぶこの新しいリバイバルされたものは、僕達/ペルー人が指すチーチャではありません。本当のチーチャは実際にはもっとシンセ感が強いし、リバーブが強めにかかった特定のポップな音楽の事を指します。アメリカ人がチーチャとして思っているのは、Los Destellosや、Juaneco y su Combo、Los Mirlos などです。でも実際にはそれらは Cumbia Peruana/Amazonica と呼ばれるものです。本当のチーチャは80年代ペルーで戦時中に現れた Chacalonや、Los Shapis、Los Ovnis などの系譜のバンドのことを指します。



あなたは、よくいるようなDJですか?それとも専門的なレコードコレクターや発掘者ですか?

発掘の意味するところがよくわからないけど、そうですね、いいレコードを見つけるのは好きです。僕は純粋主義者ではありません。言い換えれば、それに関して競争心の激しい彼らのひとりでは無いということです。インターネットでMP3もいつも掘っていますが、本当にレコードを掘ることはさらにエキサイティングだと思います。僕は、まだ格安のレコードや本当の宝石を見つけることができる事実が好きです。それはほとんど、ごみ箱あさりようなものです。見つけるつもりのないものや皆が捨てていくものの山にわざわざ目を通します。僕が見つけたも一番のものは、何年も日の目をみることのなかった変なボックスセットを見つけたことでした。レコードのプロデューサーになるために、僕はアーティストやミュージシャンが作る作品のレコードバージョンを作るべきだと、確信しています。未来の子どもは掘るための何かを必要とするでしょう。彼らは地元でハードディスクのゴミの山を漁りたくはないはずです。もし彼らがそうしたとしても、美しいアートワークのない只のハードディスクにがっかりするでしょう。



Unicornio Records について教えてください。

Unicornio Records はサンフランシスコでマンスリーのクラブパーティーから始まりました。クラブで何かやるのに疲れてきたときに、友達の Sonido Franko と僕とでクラブをレコードレーベルに変容させようと決めたのでした。2009年に僕の最初の12インチを出して、多くの注目を集めました。それでさらにオークランドのDJ Roger Mas の2枚の7インチ、LAの素晴らしいバンド、Chicano Batman の12インチもリリースしました。僕の一番最近の12インチ、Cruzando はちょうど出たばっかりでとてもいい感じです。それにより、いくつか素晴らしい企画も思いつきました。僕たちはそれを、愛の努力として、尊敬してディグするアーティストのサポートをするための素晴らしい方法だと思っています。






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Carl Hanni is a music writer, music publicist, disc jockey, book hound and vinyl archivist living in Tucson, AZ. He hosts an occasional concert and film series at The Screening Room in downtown Tucson, "The B-Side" program on KXCI (Tuesday nights midnight - 2 a.m.) and spins records wherever and whenever he can. He currently writes for Blurt, Tucson Weekly, and (occasionally) Goldmine and Signal To Noise.